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Blog · Rumpelstiltskin

『ルンペルシュティルツキン』の英語を読む(3)名前当て

2026.10.21

『Rumpelstiltskin』を読む → 無料・登録不要|単語をタップすると意味が出ます

はじめに

前回は、小人が三晩わらを金に変え、娘が「最初の子どもをあげる」と約束してしまうところまで読みました。最終回は、お妃になった娘のもとに小人が約束を果たしに来る場面から、名前当ての勝負、そして結末までの英語を読みます。

1. put her in mind of it / let her off ―「思い出させた」「見逃す」

But one day he came into her room, where she was sitting playing with her baby, and put her in mind of it. Then she grieved sorely at her misfortune, and said she would give him all the wealth of the kingdom if he would let her off, but in vain;

意味: ところがある日、お妃が赤ん坊と遊んでいる部屋に小人が入ってきて、あの約束を思い出させた。お妃は自分の不幸をひどく嘆き、許してくれるなら王国の富をすべてあげると言ったが、無駄だった

put ... in mind of ~ は「…に~を思い出させる」。今は remind ... of ~ と言うのがふつうです。it は、前の文の「小人のことと、自分が言ったこと(the dwarf, and what she had said)」を指しています。子どもが生まれてうれしくて、すっかり忘れていたのです。

let ... off は「(罰や約束から)…を見逃す、許してやる」。今でも The police let him off with a warning.(警察は彼を注意だけで見逃した)のように使います。but in vain(けれども無駄だった)は、1回目で読んだ in vain と同じです。sorely は「ひどく、痛切に」という古めの言い方です。

使い方の例:

  • This song reminds me of my school days.(この歌を聞くと学生時代を思い出す)※今の言い方
  • The teacher let us off our homework today.(先生は今日、宿題を免除してくれた)
  • He was let off with a warning.(彼は注意だけで許された)

2. three days' grace ―「3日間の猶予」

till at last her tears softened him, and he said, ‘I will give you three days’ grace, and if during that time you tell me my name, you shall keep your child.’

意味: とうとうお妃の涙に小人の心が動き、こう言った。「3日間の猶予をやろう。そのあいだに私の名前を言い当てたら、子どもはお前のものだ」

grace にはよく知られた「優雅さ」のほかに、「(支払いや期限の)猶予」という意味があります。three days' grace で「3日間の猶予」です。今でも a grace period(猶予期間)という形で、支払いの期限などによく使います。

her tears softened him は「涙が彼をやわらかくした」、つまり「涙に心を動かされた」ということです。you shall keep ... の shall は、話し手の「〜させてやる」という約束を表す古い使い方です。

使い方の例:

  • The library gives you a week's grace to return books.(図書館は本の返却に1週間の猶予をくれる)
  • There is a 30-day grace period for payment.(支払いには30日間の猶予期間がある)
  • Her kind words softened his heart.(彼女のやさしい言葉に、彼の心はやわらいだ)

3. jumped for joy ―「飛び上がって喜んだ」

When the queen heard this she jumped for joy, and as soon as her little friend came she sat down upon her throne, and called all her court round to enjoy the fun;

意味: これを聞いたお妃は飛び上がって喜び、小人がやって来るとすぐ玉座に座り、宮廷の人たちをみな呼び集めて、この楽しみを見物させた

jump for joy は「飛び上がって喜ぶ」。for は「〜のあまり」という理由を表しています。cry for joy(うれし泣きする)も同じ形です。

使いの者が森で聞いた小人の歌の最後は、Rumpelstiltskin is my name!(ルンペルシュティルツキン、それがおれの名前!)。名前を知ったお妃は、すぐには言わずに Is it JOHN? Is it TOM? と、わざと違う名前でじらします。her little friend(あの小さなお友だち)という呼び方にも、語り手の皮肉がこもっています。

使い方の例:

  • The children jumped for joy when they saw the snow.(子どもたちは雪を見て飛び上がって喜んだ)
  • She cried for joy when she heard the news.(その知らせを聞いて、彼女はうれし泣きした)
  • Call everyone round. I have something to tell you.(みんなを呼んで。話があるんだ)

4. made the best of his way off / for nothing ―「一目散に逃げた」「無駄に」

Then he made the best of his way off, while the nurse laughed and the baby crowed; and all the court jeered at him for having had so much trouble for nothing,

意味: それから小人は一目散に逃げていった。乳母は笑い、赤ん坊はきゃっきゃと声をあげた。宮廷の人たちはみな、さんざん苦労したのに何にもならなかった小人を笑いものにした

make the best of one's way は「できるだけ急いで進む」という古い言い方で、off がついて「大急ぎで立ち去る」という意味になります。make the best of ...(〜を最大限に生かす、なんとか我慢する)とは別の言い方なので、混同しないようにしましょう。

for nothing は「無駄に、何の得にもならずに」。three nights of work for nothing(三晩働いたのに何もなし)というわけです。ただし for nothing には「ただで、無料で」という意味もあるので、文の流れで見分けます。crow はここでは「(赤ん坊が)きゃっきゃと喜ぶ」、jeer at ... は「〜をあざ笑う」です。

使い方の例:

  • All that work was for nothing.(あれだけ働いたのに、すべて無駄だった)
  • I got this ticket for nothing.(このチケットはただでもらった)
  • We have to make the best of a bad situation.(悪い状況でも、なんとかやっていくしかない)※別の言い方

おわりに

名前を当てられた小人は、怒って床を右足で踏み抜き、両手で足を引き抜いて逃げていきます。昔話の結末は版によって違うことがよくあります。ほかの絵本や翻訳で読んだことのある方は、比べてみるのもおもしろいと思います。

3回にわたって読んできた表現を思い出しながら、ぜひ最初から最後まで通して読んでみてください。

これまでの記事:(1)粉屋の自慢 / (2)小人との取引

次回からは、10月22日に公開する名作ダイジェスト『オデュッセイア』第3話の英語を読みます。

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