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Blog · Rumpelstiltskin

『ルンペルシュティルツキン』の英語を読む(2)小人との取引

2026.10.20

はじめに

前回は、粉屋の自慢のせいで、娘がわらの山とともに部屋に閉じ込められるところまで読みました。2回目は、泣いている娘の前に不思議な小人が現れ、三晩にわたってわらを金に変えていく場面です。小人が何を受け取り、最後に何を約束させるのかに注目して読んでいきます。

1. on a sudden / Good morrow ―「突然」「こんにちは」

She sat down in one corner of the room, and began to bewail her hard fate; when on a sudden the door opened, and a droll-looking little man hobbled in, and said, ‘Good morrow to you, my good lass; what are you weeping for?’

意味: 娘は部屋の隅に座りこみ、自分のつらい運命を嘆きはじめた。すると突然扉が開き、ひょうきんな顔つきの小さな男がひょこひょこ入ってきて、「やあ、お嬢さん。何を泣いているんだい?」と言った

on a sudden は「突然」。今は all of a sudden か suddenly と言います。Good morrow は「おはよう、こんにちは」という古い挨拶で、今の good morning にあたります。morrow はもともと「朝」や「明日」を表す古い言葉で、tomorrow の morrow と同じです。

my good lass の lass は「娘、お嬢さん」で、今もスコットランドやイングランド北部で使われます。この1文には、bewail(嘆く)、droll-looking(ひょうきんな顔つきの)、hobble(足を引きずって歩く)と、小人の不思議な姿を描く言葉が並んでいます。

使い方の例:

  • All of a sudden, the lights went out.(突然、明かりが消えた)※今の言い方
  • What are you crying for?(何で泣いているの?)
  • I'll see you tomorrow morning.(明日の朝会おう)

2. took her at her word ―「その言葉どおりに受け取った」

‘What will you give me,’ said the hobgoblin, ‘to do it for you?’ ‘My necklace,’ replied the maiden. He took her at her word, and sat himself down to the wheel, and whistled and sang:

意味: 「代わりにやってやったら、何をくれる?」と小鬼は言った。「私の首飾りを」と娘は答えた。小人はその言葉どおりに取引を受け入れ、糸車の前に座ると、口笛を吹き、歌いはじめた

take ... at one's word は「〜の言葉をそのまま信じる、〜の申し出をそのまま受け入れる」。ここでは、娘の「首飾りをあげる」という申し出を、小人がそのまま引き受けたということです。今でも I'll take you at your word.(あなたの言葉を信じるよ)のように使います。

sat himself down は sat down と同じ意味の、少し古い言い方です。小人の歌 ‘Round about, round about, Lo and behold! Reel away, reel away, Straw into gold!’ にある Lo and behold! は「見よ、なんと!」という、驚きを表す決まり文句です。今では冗談めかして使うことがあります。

使い方の例:

  • He said he would help, so I took him at his word.(彼が手伝うと言ったので、その言葉を信じた)
  • I opened the box, and lo and behold, it was empty!(箱を開けたら、なんと空っぽだった)※おどけた言い方
  • She sat down at the piano and began to play.(彼女はピアノの前に座り、弾きはじめた)

3. greedy of gain ―「もうけに目がない」

When the king came and saw this, he was greatly astonished and pleased; but his heart grew still more greedy of gain, and he shut up the poor miller’s daughter again with a fresh task.

意味: 王様はやって来てこれを見ると、たいそう驚き、喜んだ。けれども王様の心はますます欲深くなり、気の毒な粉屋の娘を、新しい仕事とともにまた閉じ込めた

greedy of gain は「もうけに貪欲な」。今は greedy for ... と言いますが、古い英語では of を使うことがあります。gain は「利益、もうけ」です。grew still more ... の still は「さらに、いっそう」で、比較級を強めています。

shut up はここでは「閉じ込める」。今の話し言葉では Shut up!(黙れ!)の意味で使うことが多いので、注意が必要です。shut ... up in a room(部屋に閉じ込める)の形なら、今でも「閉じ込める」の意味になります。

使い方の例:

  • The second test was still more difficult.(2回目のテストは、さらに難しかった)
  • Don't be greedy for money.(お金に貪欲になってはいけない)
  • They shut the dog up in the kitchen.(彼らは犬を台所に閉じ込めた)

4. That may never be ―「そんなことにはならないだろう」

‘Then say you will give me,’ said the little man, ‘the first little child that you may have when you are queen.’ ‘That may never be,’ thought the miller’s daughter: and as she knew no other way to get her task done, she said she would do what he asked.

意味: 「それなら、お妃になって最初に生まれる子どもをくれると言いなさい」と小人は言った。「そんなことには、きっとならないわ」と粉屋の娘は思った。ほかに仕事を片づける方法も知らなかったので、娘は小人の言うとおりにすると答えた

may never be は「決してそうはならないかもしれない」、つまり「そんなこと、起こりっこない」という気持ちです。王様が自分を妃にするはずがない、子どもを渡す日など来ない、と娘は高をくくって約束してしまいます。この軽い約束が、物語の後半で大きな問題になります。

get her task done は「get + もの + 過去分詞」の形で、「仕事を片づけてしまう」という意味です。get my homework done(宿題を終わらせる)のように、今もよく使います。

使い方の例:

  • I need to get this report done by tonight.(今夜までにこの報告書を仕上げないといけない)
  • He may never come back.(彼はもう二度と戻ってこないかもしれない)
  • I'll do what you ask.(あなたの言うとおりにします)

おわりに

次回は最終回です。お妃になった娘のもとに小人が約束を果たしに来て、名前当ての勝負が始まる結末の英語を読みます。前回の記事はこちらから読めます。

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