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Blog · The Tale of Benjamin Bunny

『ベンジャミン・バニーのおはなし』の英語を読む(2)畑の中のふたり

2026.10.13

はじめに

『ベンジャミン・バニーのおはなし』の英語を読むシリーズ、2回目です。前回は、ベンジャミンがピーターを訪ね、マクレガーさんの畑へ行こうと誘うところまでを読みました。

ふたりは梨の木を伝って畑に下り、かかしから上着と靴を取り戻します。今回は、畑の中でのふたりの様子を描いた場面の英語です。怖がってばかりのピーターと、すっかりくつろいでいるベンジャミン。ふたりの対比が、英語の表現からもよく伝わってきます。

1. it was of no consequence ―「大したことではなかった」

Peter fell down head first; but it was of no consequence, as the bed below was newly raked and quite soft.

意味: ピーターは頭から落ちたが、大したことはなかった。下の畑の畝は耕したばかりで、ふかふかだったのだ

consequence は「結果」という意味でおなじみですが、of consequence の形では「重要な、重大な」という意味になります。of no consequence で「重要でない、大したことではない」。of+抽象名詞で形容詞の意味になる形で、of importance(重要な)、of use(役に立つ)も同じ仲間です。

頭から落ちたと聞くと心配になりますが、すぐに「大したことはなかった」と続きます。ここでの as は「〜なので」と理由を表します。bed は「ベッド」ではなく、「花壇、畑の畝」。newly raked は「耕したばかりの」です。ところがそこはレタスの種をまいた畝で、ふたりはそこに小さな足跡をたくさん残してしまいます。

使い方の例:

  • The mistake was of no consequence.(その間違いは大したことではなかった)
  • It's of no consequence to me.(私にはどうでもいいことだ)
  • This book is of great use to beginners.(この本は初心者にとても役に立つ)

2. was perfectly at home ―「すっかりくつろいでいた」

Benjamin, on the contrary, was perfectly at home, and ate a lettuce leaf.

意味: 一方ベンジャミンは、すっかりくつろいでいて、レタスの葉を一枚食べた

at home は「家で」だけでなく、「くつろいで、気楽に」という意味でも使います。be at home で「(その場所に)慣れていて落ち着いている」。ここは畑の中なので、「家にいた」と読むと意味が通りません。

on the contrary は「それとは反対に、それどころか」。直前の文は Peter did not seem to be enjoying himself; he kept hearing noises.(ピーターは楽しそうではなかった。ずっと何かの物音が聞こえていたのだ)です。びくびくしているピーターと、平気でレタスをかじるベンジャミン。on the contrary が、ふたりの違いをくっきり分けています。

ちなみに「どうぞくつろいでください」は、今でも Make yourself at home. と言います。

使い方の例:

  • Please make yourself at home.(どうぞくつろいでください)
  • She felt at home in her new school.(彼女は新しい学校にすぐなじんだ)
  • He is at home with computers.(彼はコンピューターに詳しい)

3. was in the habit of coming ―「よく来ていた」

He said that he was in the habit of coming to the garden with his father to get lettuces for their Sunday dinner.

意味: ベンジャミンは、日曜日のごちそう用のレタスを取りに、お父さんとよくこの畑に来ているのだと言った

be in the habit of ...ing は「〜する習慣がある、いつも〜している」。used to(以前はよく〜していた)と違い、今も続いている習慣を表します。

ベンジャミンが畑で平気なのは、お父さんと何度も来ているからでした。ここで語り手が、(The name of little Benjamin's papa was old Mr. Benjamin Bunny.)(ベンジャミンのお父さんの名前は、ベンジャミン・バニー老人といった)と、かっこ書きで付け加えます。父と子が同じ名前で、「Old」と「little」で呼び分けているのです。このお父さんが、物語の最後に大活躍します。

使い方の例:

  • He is in the habit of taking a walk after dinner.(彼は夕食後に散歩をする習慣がある)
  • I'm not in the habit of eating breakfast.(私は朝食を食べる習慣がない)
  • You should get into the habit of reading every day.(毎日読む習慣を身につけたほうがいい)

4. Presently he dropped half the onions. ―「やがて玉ねぎを半分落とした」

Peter did not eat anything; he said he should like to go home. Presently he dropped half the onions.

意味: ピーターは何も食べず、家に帰りたいと言った。そのうち、玉ねぎを半分落としてしまった

presently は、現代のアメリカ英語では「現在、目下」(= currently)という意味でよく使われます。ところが古いイギリス英語では「まもなく、やがて」という意味です。この物語の presently はすべてこちらの意味で、「現在」と読むと時間の流れがおかしくなってしまいます。

he said he should like to go home の should like to も古い言い方で、今なら would like to(〜したい)を使います。

ベンジャミンの提案で、ふたりはおばさんへのおみやげに玉ねぎをハンカチに包みました。ところがピーターは、少しあとにも Presently Peter let the pocket-handkerchief go again.(やがてピーターは、またハンカチを落としてしまった)。怖くて落ち着かないピーターの様子が、繰り返される presently から伝わってきます。

使い方の例:

  • The doctor will see you presently.(先生はまもなく診察します)※古めのイギリス英語
  • She is presently working in Tokyo.(彼女は現在、東京で働いている)※アメリカ英語でよく使う意味
  • I should like to ask a question.(質問させていただきたいのですが)※古風で丁寧な言い方

おわりに

次回は最終回です。ふたりの前に現れた思いもよらない相手と、ベンジャミンのお父さんが登場する結末の英語を読みます。前回の記事はこちらから読めます。

『ベンジャミン・バニーのおはなし』を読む