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Blog · The Odyssey - Part 3: The Monsters of the Sea

『オデュッセイア』第3話の英語を読む(1)死者の国

2026.10.22

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はじめに

名作ダイジェスト『オデュッセイア』の英語を読むシリーズ、第3話に入ります。第2話では、風の袋を開けられて故郷の目前から吹き戻されたオデュッセウスが、魔女キルケーの島で1年を過ごし、死者の国へ向かうことになるところまでを読みました。

第3話「海の怪物たち」は、その死者の国から始まります。今回から3回に分けて、第3話の英語を物語の流れに沿って読んでいきます。1回目は、死者の国で預言者と母の霊に会う場面です。

1. where the sun never shines ―「太陽が決して照らない(世界の果て)」

Odysseus and his men sailed to the edge of the world, where the sun never shines. There they found the entrance to the land of the dead.

意味: オデュッセウスと部下たちは、太陽が決して照らない世界の果てまで船を進めた。そこで、死者の国への入り口を見つけた

where は疑問詞の「どこ」ではなく、直前の the edge of the world(世界の果て)を説明する関係副詞です。カンマのあとの where は「そしてそこでは」と、前から順に読み進めると自然です。「世界の果てまで来た。そこでは太陽が決して照らない」。

never shines と現在形になっているのは、「いつもそうである」という変わらない事実を表すためです。物語は過去形で進んでいても、場所の性質は現在形で書かれることがあります。

次の文の There は「そこで」。直前に出てきた場所を指して、文の頭に置かれています。

使い方の例:

  • We visited Kyoto, where my grandmother lives.(私たちは京都を訪れた。そこには祖母が住んでいる)
  • This is the town where I was born.(ここが私の生まれた町だ)
  • Water boils at 100 degrees.(水は100度で沸騰する)※変わらない事実の現在形

2. did what Circe had told him ―「キルケーに言われたとおりにした」

Odysseus did what Circe had told him. He dug a hole in the ground and offered sheep to the dead.

意味: オデュッセウスは、キルケーに言われたとおりにした。地面に穴を掘り、死者たちに羊をささげた

what は「何」ではなく、「〜すること、〜するもの」を表す関係代名詞です。what Circe had told him で「キルケーが彼に言ったこと」。did what ... told him で「言われたことをした」、つまり「言われたとおりにした」となります。

had told と過去完了になっているのは、キルケーが教えたのが、オデュッセウスが穴を掘るよりも前のことだからです。第2話の最後で、キルケーは「死者の国へ行き、テイレシアスの霊と話せ」と告げていました。

dug は dig(掘る)の過去形、offer は「ささげる、差し出す」。the dead は「the+形容詞」で「死者たち」という複数の人々を表します。the rich(金持ちの人々)、the young(若者たち)と同じ形です。

使い方の例:

  • I did what my teacher told me.(先生に言われたとおりにした)
  • What she said surprised everyone.(彼女の言ったことは、みんなを驚かせた)
  • We should help the poor.(貧しい人々を助けるべきだ)※the+形容詞

3. If you do, you will lose ... ―「もし(傷つけ)たら、失うだろう」

"Do not hurt those animals. If you do, you will lose your ship and all your men. You will reach home very late, alone, on someone else's ship. And you will find trouble in your house."

意味: 「その動物たちを傷つけてはならない。もし傷つければ、船も部下もすべて失うだろう。おまえは家に、ひどく遅れて、ひとりきりで、他人の船に乗って帰り着く。そして家では面倒ごとが待っている」

ついに現れた盲目の預言者テイレシアスは、太陽神の牛について警告します。

If you do の do は、「する」という意味の動詞ではありません。直前の hurt those animals のくり返しを避けるために、do 一語で言い換えています。If you hurt those animals を短くした形です。英語は同じ言葉のくり返しを嫌うので、do / does / did がこのように代わりを務めることがよくあります。

後半の You will reach home very late, alone, on someone else's ship. は、カンマで「遅れて」「ひとりで」「他人の船で」と三つの条件を重ねています。予言が一つずつ不吉になっていく、印象的な一文です。someone else's は「誰かほかの人の」。この予言がどう実現するかは、第3話と第4話で明らかになります。

使い方の例:

  • "Don't touch it." "I won't."(「それに触らないで」「触らないよ」)※won't のあとに touch it が省略
  • She likes coffee, and so do I.(彼女はコーヒーが好きで、私もそうだ)
  • I took someone else's umbrella by mistake.(間違えて人の傘を持ってきてしまった)

4. I waited and waited for you to come home. ―「あなたの帰りを待って待って、待ち続けた」

"I missed you so much," she said. "I waited and waited for you to come home. In the end, my sadness killed me."

意味: 「あなたに会いたくてたまらなかった」と母は言った。「あなたが帰ってくるのを、ずっと待ち続けた。そしてとうとう、悲しみで死んでしまったの」

死者の中に、オデュッセウスは自分の母の霊を見つけます。トロイアへ出発したときには、まだ生きていた母です。

miss は「〜がいなくてさびしい、〜に会いたい」。I miss you. は日本語にしにくい言葉ですが、「会えなくてさびしい」という気持ちを一言で表します。

waited and waited のように同じ動詞をくり返すと、「何度も、いつまでも」という長さが伝わります。wait for+人+to 動詞は「人が〜するのを待つ」。wait for you だけなら「あなたを待つ」ですが、to come home が付くことで「あなたが帰ってくるのを」となります。

my sadness killed me は、直訳すると「私の悲しみが私を殺した」。英語では、このように物事を主語にして「〜が原因で…した」と表すことがよくあります。

この場面は、Three times he tried, and three times she passed through his arms like smoke.(三度抱きしめようとして、三度とも母は煙のように腕をすり抜けた)という文で終わります。like smoke の like は「〜のように」という前置詞です。

使い方の例:

  • I miss my family.(家族に会えなくてさびしい)
  • We talked and talked all night.(私たちは一晩じゅう話し続けた)
  • I'm waiting for the rain to stop.(雨がやむのを待っている)

おわりに

次回は、美しい歌で船乗りを誘う怪物セイレーンの場面の英語を読みます。LITIM では、本文の単語をタップすると意味を確かめながら読み進められます。今回の表現がどんな流れで出てくるのか、ぜひ本文で確かめてみてください。

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