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Blog · Winnie-the-Pooh

『クマのプーさん』で覚えておきたい英語表現5選

2026.09.28

はじめに

A・A・ミルンの『クマのプーさん』(1926年)は、少年クリストファー・ロビンのぬいぐるみのクマ、プーの物語です。LITIM で読めるのは第1章。お父さんがクリストファー・ロビンに語って聞かせる形で、はちみつが食べたいプーが、風船にぶら下がってミツバチの巣に近づこうとするお話です。

子ども向けのやさしい英語ですが、会話の中には、今でも日常でよく使われる言い回しがたくさん出てきます。今回は物語の流れに沿って、覚えておくと役に立つ表現を5つ取り上げます。

1. if only ―「〜さえできれば」

It is, as far as he knows, the only way of coming downstairs, but sometimes he feels that there really is another way, if only he could stop bumping for a moment and think of it.

意味: 彼の知るかぎり、それが階段を下りる唯一の方法だ。でも、ほんの少しのあいだゴツンゴツンをやめて考えることさえできれば、本当は別の方法があるような気もしている

if only ... は「〜さえすれば」「〜でありさえしたら」という意味で、実現していないことへの願いを込めた言い方です。後ろの動詞は仮定法(could, were, had done など)になります。文の頭に置いて、If only I had more time!(もっと時間があればなあ)のように、願望だけを言うこともできます。

物語の冒頭、クリストファー・ロビンに片足をつかまれて、頭で階段をゴツン、ゴツンと下りてくるプー。「別の方法があるかもしれない。考えられさえすれば」。ぼんやりしていて憎めない、プーの性格がよくわかる書き出しです。

使い方の例:

  • If only I had more time!(もっと時間があればなあ)
  • If only she were here now.(彼女が今ここにいてくれたらいいのに)
  • I could fix it, if only I knew how.(やり方さえわかれば、直せるのに)

2. under the name of ―「〜という名前で」

Once upon a time, a very long time ago now, about last Friday, Winnie-the-Pooh lived in a forest all by himself under the name of Sanders.

意味: むかしむかし、ずっと前、そう、先週の金曜日ごろのこと。プーは森の中で、サンダースという名前でひとりで暮らしていました

under the name of ... は「〜という名前で」「〜の名義で」という意味です。本名とは違う名前で活動するときや、予約・登録の名義を言うときによく使われます。

お話を聞いていたクリストファー・ロビンが「『〜の名前の下で』ってどういう意味?」と尋ねると、お父さんはこう答えます。「ドアの上に金文字でその名前が書いてあって、プーはその下に住んでいたってことさ」。under(〜の下に)を文字どおりに受け取った、ミルンらしいことば遊びです。「むかしむかし」と言いながら「先週の金曜日ごろ」と続けるところにも、とぼけたユーモアがあります。

使い方の例:

  • She writes novels under the name of Anna Grey.(彼女はアンナ・グレイという名前で小説を書いている)
  • I booked a table under the name of Tanaka.(田中の名前でテーブルを予約した)
  • He traveled under a false name.(彼は偽名で旅をした)

3. it all comes of ―「それもこれも〜のせいだ」

"It all comes, I suppose," he decided, as he said good-bye to the last branch, spun round three times, and flew gracefully into a gorse-bush, "it all comes of liking honey so much. Oh, help!"

意味: 「どうやらこれも全部」とプーは結論を出した。最後の枝に別れを告げ、三回転して、ハリエニシダの茂みに優雅に飛び込みながら。「全部、はちみつが好きすぎるせいなんだな。わあ、助けて!」

come of ... は「〜から生じる」「〜の結果である」という意味です。It all comes of ...ing で「それもこれも〜したせいだ」と、原因をぼやくときの言い方になります。今の英語では come from がよく使われます。

はちみつを取ろうと木に登ったプーは、枝が折れて真っ逆さまに落ちていきます。落ちながら枝を一本ずつ通り過ぎるたびに感想を述べ、最後には「はちみつが好きすぎるのがいけない」と、落ち着き払って結論を出すのです。said good-bye to the last branch(最後の枝に別れを告げた)という言い方も、落ちていく様子をのんびりと描いていて笑いを誘います。

使い方の例:

  • This is what comes of staying up too late.(これが夜ふかししすぎた結果だよ)
  • No good will come of it.(そんなことをしても、ろくなことにならない)
  • It all comes from eating too much sugar.(それもこれも、砂糖をとりすぎたせいだ)※今の英語でふつうの come from

4. you never can tell ―「どうなるかわからない」

"They might or they might not," said Winnie-the-Pooh. "You never can tell with bees."

意味: 「気づくかもしれないし、気づかないかもしれない」とプーは言った。「ミツバチのことは、わからないからね」

you never can tell(you can never tell)は、「先のことは誰にもわからない」「どうなるか予想がつかない」という決まった言い方です。with ... を続けると「〜については何とも言えない」という意味になります。

プーの作戦は、泥だらけになって黒い雲のふりをし、青い風船にぶら下がって巣に近づくというもの。「風船の下のきみに、ミツバチは気づかないの?」と聞かれて、プーは平然とこう答えます。このあと、プーはこの台詞をもう一度口にすることになります。

使い方の例:

  • It looks sunny now, but you never can tell.(今は晴れているけれど、この先どうなるかわからない)
  • You can never tell what a baby will do next.(赤ちゃんが次に何をするかは予想がつかない)
  • You never can tell with cats.(猫のことは、本当にわからないよ)

5. something tells me ―「なんとなく〜という気がする」

"I don't know. But something tells me that they're suspicious!"

意味: わからないよ。でも、なんだか怪しまれている気がするんだ

something tells me (that) ... は、直訳すると「何かが私に〜と告げる」。はっきりした理由はないけれど、「なんとなく〜という気がする」と直感を伝える言い方です。会話でとてもよく使われます。

風船で空に浮かんだプーのまわりを、ミツバチたちが怪しげに飛び回ります。「ミツバチが何かに気づいたみたいだ」とプー。クリストファー・ロビンに「はちみつを狙っていると思われているのかも」と言われて、プーはまた「ミツバチのことは、わからないからね」と答えます。結局プーは、クリストファー・ロビンに風船を撃ち落としてもらって地上に戻ります。

使い方の例:

  • Something tells me it's going to rain today.(なんとなく、今日は雨になる気がする)
  • Something tells me he's not telling the truth.(どうも、彼は本当のことを言っていない気がする)
  • Something tells me you already know the answer.(きみはもう答えを知っているんじゃないかな)

おわりに

『クマのプーさん』の英語は、やさしい単語でできていながら、ことば遊びや、とぼけた言い回しに満ちています。今回取り上げた表現は、どれも今の英語の会話でそのまま使えるものばかりです。LITIM では、本文の単語をタップすると意味を確かめながら読み進められます。プーとクリストファー・ロビンのやりとりを、ぜひ本文で楽しんでみてください。

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